一度、人生を諦めて引きこもった
という人達の中には
引きこもりから脱する事はなかなか難しい
と感じている人がいるでしょう。
実際、本当に難しい事だなと自分自身も感じています。
引きこもりの人の中には
短期間で何度も転職していたり
そもそも就職して事が無い
という人も珍しくありません。
成人しても尚、親に養ってもらっている
職歴が安定していない
といった事から
「甘えている」という声が聞かれる事があります。
そう言う人達から見るとそう見えるのでしょう。
まして
日頃、自分は誰よりも努力している
という思いが強い人程
その様に見えるかもしれませんね。
それほ、そう思う程に必死に
社会と、そして自分と戦っているという事ですから。
そして、それをずっと続けて来られたのですから。
しかし、引きこもりの人達も戦っています。
引きこもりの人達は一見
全てを諦めて投げ出したように見えるかもしれません。
しかし、心の中でいつも
・このまま終わってたまるか
・このままではいけない
・こんな自分がイヤだ、何とかせねば
と自責・自己嫌悪・嫌悪感・焦燥感
といった様々な思いを抱えており、
引きこもりから抜け出そうと
精一杯
自分の心、自分という人間、過去、そして親と
向き合って、向き合おうと、しています。
一部、本当に全てを諦めた人もいるかもしれませんが
彼らの話を聞いていると
心のどこかに
諦めない、諦められない、諦めたくない自分
そんな自分がいるものです。
漏れなく全ての引きこもりの人がとは言いませんが
引きこもりの人の多くは、
小さい頃から何十年間も
親の過干渉、過保護、虐待と闘い続けています。
親の過干渉、過保護、虐待という環境で育った為に
本来であれば、大人になるまでに身につけるはずの
生きる為に必要な心の生命力や
考え方や価値観、手段といったものを
学ばせてもらえずに 取得させてもらえずに
心を縛られたまま大人になった人が多く見られます。
生きる為の心の生命力が弱く
生きやすくなる考え方が出来ず
親の姿や言葉、態度により歪んだ価値観を植え付けられて
生きる為の手段を持っていない
親の管理下にある子供のうちは何とかやり過ごせても
大人になったらそうはいきません。
自分をしっかり確立していないと生きていくのは難しいものです。
自分で考え、自分で行動せねばならず
その結果には責任があります。
また、ストレス耐性がある程度無いと
社会生活を営む事が難しいです。
時には
「これ以上考えても仕方ない、今は出来る事を一つずつやって行こう。」
と割り切ったり、一旦考えるのを止めるなどの
心身を守る為の手段を採る事も必要です。
生きる為の術を持たない引きこもりの人達にとっては
舟の漕ぎ方も帆の張り方も何も知らないまま舟に乗せられ
海に放たれたようなものです。
生きる中で生じる様々な問題や壁という嵐に遭遇し
何とかしようと手がボロボロになるまで試行錯誤したものの為す術無く
海に転落して命を落とすのは何とか避けようと
自室という名の船室に逃げ込み
運命を祈りつつ
他に何か手段があるのではないかと模索し、思いついた事から片っ端に試している
そんな状態です。
自室に逃げ込む前に試行錯誤する中で
逃げ込んだ後に思いついた事を試す中で
「引きこもりですか…」
とため息を吐かれたり、冷ややかな目を向けられたり
心無い言葉を浴びせられたり、冷たい対応をされて
綱を必死に引いて手がボロボロになるように
心が追い詰められる
小さなダメージが治癒する事無く積み重なる事で
心の傷が慢性化した状態になってしまった…
そんな人も多いのです。
また、最近、多くの人が知るところである神経発達症(発達障害)が関わっている
という事も珍しくありません。
それでも引きこもりから抜け出し、生きる為に
ハローワークや福祉センターに電話したり
職業訓練を受けたり、法人を訪れたり
何とかしようと必死です。
"全てを諦める"という選択肢しか見えなくなっている人も
あたかも、生まれた時から既に自分はこうなる運命と決まっていた様に感じている人も
引きこもる以外方法は無いとその選択をまさに今しようとしている人も
実は、これまでも、これからも自分と自分の過去と親と戦い続けています。
人は、その人と同じ状況下に置かれないと
なかなか相手の事を理解するのが難しいものですが
これまでの、そして、これから更新するこのブログを通じて
一人でも多くの人達に
彼らも必死に戦い、生きているのだ
ということが伝われば嬉しいです。
自分も含めて、恐らく多くの人にとって
生きる事自体に必死になる
日々何かと余裕がない
そんな時代なのではないかと感じています。
そんな中でも災害が発生した時や事件が起こった時
立場や年齢などを越えて
人と人が思いやる姿、協力し合う姿を見ると
私達人間は、厳しい環境下にいながらも
そういった事が出来る生き物なのだと
少しホッとします。
人は、思っているより残酷な生き物ではないようです。
もし諦めていないならば
一度は人生を諦めたとしても
またいつか(できるなら今)一歩踏み出してもらえたら嬉しいです。
そして、彼らを温かく見守って頂けたら有り難いです。
それでは!