今日は、心の健康を改善するステップと
その為の手段について書いていきます。
長くなりますが、あなたのメンタルケアの役に立てば嬉しいです。
では、早速書いて行きます。
①質の良い睡眠をしっかり取る
既に心身共に疲弊しきっていて何もやる気にならない、食事も摂りたくない、全てがどうでも良いという人は多いです。
これは、心と体のエネルギーが枯渇した状態になっているという事であり、この段階では何より先ずは睡眠が必要になります。
睡眠を取る事で心身の傷付いた部分が修復されるので、睡眠を充分に取り、ダメージを回復させましょう。
しかし、ただ寝るだけでは十分ではありません。
早寝早起きが大事です。
朝6時〜7時頃に起きて朝日を浴びて体内時計をリセットし、セロトニンを分泌させましょう。
セロトニンは、昼間に優位で、脳を起こすと共に脳の興奮を鎮めて不安や恐怖・ストレスを低減させ、食欲のコントロールもしてくれます。
また、セロトニンからはメラトニンが生成されます。
メラトニンは夜間に優位になり、眠気を催すホルモンですから、セロトニンの分泌が少ないと、メラトニンの生成される量が少なく、夜になかなか寝付けない、眠れないという事になります。
睡眠の質の低下や睡眠不足・睡眠負債は、脳に深刻なダメージを与え、物忘れが酷くなる・疲れやすい・イライラする・集中出来ないなどだけでなく、鬱・認知症・癌・肥満・糖尿病・高血圧・心臓病・脳卒中などの病気のリスクを高めます。
②運動の習慣を持つ
有酸素運動の効果については、以前ブログに書いた事があります。
このページに立ち寄ったついてで読んで頂けると嬉しいです。↓
https://www.20221101-ouchiya.net/blog/73607/
https://www.20221101-ouchiya.net/blog/75323/
因みに、アメリカのhealthline社は、「たった1分でも良い」
と体を少しでも動かす事の大切さを説いています。
さて、有酸素運動の代表的存在であるウォーキングやラジオ体操・ストレッチ・ヨガも良いのですが、意外と触れられていないのが掃除・料理かもしれません。
掃除も料理も意識していないかもしれませんが、結構体を動かし、体力を使っています。
しかも、掃除・料理にハマれば、健康管理にも家の衛生管理にも役立ち、趣味にすればライフハック系のインフルエンサーになる事も難しくないのでメリットは多いです。
ウォーキングに行くと、人の目が気になったり、虚しくなって、どうしても続かないという人は、掃除・料理をしてみて下さい。
長期的な効果を狙うなら、瞑想がやはり効果的です。
③栄養をしっかり摂る、間食はしない
ひきこもりの人は、誰よりも挫折や苦悩を味わって来ています。
そのストレスフルな体験とストレスから心身を守る為に多くの栄養素とエネルギーを使い、消耗した状態になっています。
なので、人一倍、質の良い食事を摂り、栄養を取り戻す必要があります。
栄養と言えば、藤川先生。
以前、ブログで精神科医の藤川徳美先生の藤川理論をご紹介しました↓
https://www.20221101-ouchiya.net/blog/77667/
この日は急いでいたので、ちゃんとブログを書けなくてすみませんでした。
藤川先生は、ふじかわ心療内科クリニックの院長をされていて、栄養の面から精神疾患やその他の疾患にアプローチされているドクターです。
私も購入し、度々読み返している
・『メガビタミン健康法』
・『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる』
の著者で、ミツヤ産業株式会社さんのYouTubeチャンネルにご出演されています。
必要な栄養をしっかり摂り、心身のまだ治っていない傷を治しましょう。
バランスの取れた食事と聞くと難しそうですが、カフェインが含まれる飲み物や甘いもの、スナックを避けて果物や野菜、魚を食べる様にすると良いです。
特に魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸が、国立がん研究センター・社会と健康研究センター健康支援研究部長の松岡豊氏・台湾の中國醫藥大學醫學院生物醫學研究所の蘇冠賓教授・文信診所の曾秉濤氏らの共同研究グループにより、悪玉菌LDLコレステロールを低減するだけでなく、不安症状も軽減する事が判明しています。(日本くすり教育研究所HPより一部引用: https://jide.jp/?p=2040)
④趣味など目的を持ち、それを追求していく
ひきこもっていると過去の嫌な事を思い出してばかりになったり、反芻思考に陥ったりと過去の嫌な体験に目が行きがちになります。
なので、趣味を探したり新たに持って色々な情報に触れて反芻思考などから注意を逸らす事も必要です。精神的視野狭窄から抜け出しましょうという事です。
好きな事や興味があるかもと思える事に出会えるまで、とにかく色々やってみましょう。
②の「運動の習慣を持つ」でも紹介したように掃除・料理を趣味にしてみるのは如何でしょうか?
掃除も料理も人と違って、自分が作ったように出来上がって行き、成果が形になって分かりやすいので、継続する事によって失ってしまった達成感や満足感、自信を取り戻す事も出来るでしょう。
掃除や料理に乗り気になれない時は、プラモデル作りやパズル・二重窓作りなど工作にチャレンジしてみたり、気になっていた本を取り寄せて読んでみるのも良いです。
先ずは、興味を持てる事を見つけましょう。
そしてそれを追求する事を通して「集中する事」が大事です。
集中すると、脳は、瞑想に近いような状態になります。
そうなる事で散らかった脳の中が整理され、また、セロトニンが分泌されるのでリラックス効果を得つつ集中力を鍛える事が出来ます。
集中力は、社会復帰してから仕事をする為に必要になるものなので、鍛えておきましょう。
いきなり30分集中するのは難しいので、集中する事が難しい人は、最初は5分から始め、5分ずつ集中する時間を伸ばしていってみると良いです。
いきなり成果を出そうとせずに、少しずつ出来る様になっていきましょう。
リラックス効果のある音楽を聴くのも良いです。
効果的なのは、海のさざなみや鳥のさえずりなどの自然の音楽です。
ゆったりとした音楽は、副交感神経である迷走神経を刺激し血圧を下げてくれます。
また、ゆったりした音楽による刺激で幸せホルモンが分泌され、ストレスが軽減される事も分かっています。
心が苦しくなってきたがどうしようも無いという時や寝る前に自然のBGMをかけてみるのは如何でしょうか?
⑤当事者会への参加・知り合い作り
当事者会や家族会への参加はひきこもりを脱するのに効果的と言われています。
同じ状況にある人達と話をすると、自分だけじゃないと思えたり、理解したりしてもらえたり、共感し合えたりして安心感を得られるだけでなく、情報交換をする事で他の人の役に立てたり、そこで知り合いが出来たり、気の合う人を見つけられたり、その人達と繋がれた事で精神的視野が広がったり、相手の心の支えになれるという事も期待出来ます。
誰かの役に立つんだという自己効力感を得る。
これを少しずつ積み重ねていく事で、自尊心を高め、再び自信を持てる様になって行く事が出来ます。
元々は話すのが好きな人にとっては、カウンセリングとかお悩み相談とか会話の練習とかではなく、ただ人と話すのは楽しいので、何回か行ってみては如何でしょうか?
勿論、性格的に合わないならば無理に行かなくても良いですし、タイミング的に今じゃないという事でしたら、今じゃなくても良いです。
「いずれ行ってみよう」くらいに構えて、「行かなければ!」、「参加出来ない自分は何て臆病なんだ」などと自分を責めたり、脅迫的にならないようにしましょう。
今は、ビデオチャットを利用したオンライン当事者会があり、手軽にアクセス出来るのは良いですよね。
私も、人恋しくなった時に誰かが誰かとやり取りしているのを眺めるだけで良いので会話に触れてみたいと思った経験から LINEで「おうちやの雑談部屋」なるものを立ち上げてみました。
↓
https://line.me/ti/g/OqmBmrnKcM
オンライン当事者会については、「人の表情を見なくて済むので気楽」という声がある一方で、「対面で話した方が安心する。」、「顔が見えないと表情が読めなくて怖い。」という声もありますが、もし良かったら登録だけでもして時々眺めて頂けたら嬉しいです。
ゲームとか、マンガとか好きな事、楽しいと思っている事を話しましょう。
PC関係は苦手なので、色々語って頂けると大助かりです!
⑥支援者と呼ばれる人達や医療と繋がる
これは、なかなか難しいと感じている人は多いのではないでしょうか?
大きな壁の様に感じている人もいるかもしれませんね。
・過去に信頼出来るドクターが見つからなかった
・対人関係で挫折を味わっている
・対人不安・パニック障害などの不安障害やその他の精神疾患がある
・自室・自宅への異常な依存により外に出られない
など色々あると思います。
そもそも繋がる気にはなれなくて「ほっといてくれ」と思っている人もいるでしょう。
自分から行けないなら、こちらから行こうという事でアウトリーチがありますよね。
アウトリーチを私も行っておりますが、部屋に突入する事はしていません。
特に対人恐怖が強く出ている時は、他人の気配すら恐怖なのに(私は、郵便配達のバイクの音で吐いた事あります)実際に人が部屋に入って来ると思うと…「やめてくれ。マジで今じゃないから!」ですよね。
親の許可を得て鍵を開けて入って来る所があるようですが、自分の親もその手を使うのではないかと怯えている人もいるかもしれませんね。
そういう人は「実はオンラインカウンセリング受けているんだ」、「当事者会に参加してみる事にした」と言っておくのも一つの手かもしれません。
自分でも何かしている事が伝われば、「早く部屋から出さなきゃ」、「早く働いてもらわないと」という親の焦る気持ちを少し落ち着かせられるかもしれません。
そして、「えい!」と思えた時に最寄りの支援センターや病院に電話をかけてみるだけでもしてみてほしいです。
一回出来れば、二回目、三回目は、少なくとも一回目ほどは抵抗感が感じられないものです。
回数を重ねるほど、抵抗感は薄れて行きますので、「えい!」となれそうな時にチャレンジしてみて下さい。
おうちやも、いつでもあなたからのご連絡をお待ちしています。
最初は不安かもしれませんが、遠慮なくご連絡下さい。お待ちしております。
⑦言葉の言い換え・思考を変換する
ひきこもりになると自分の世界に籠る事になるので、どうしても社会的・客観的視点が欠けて「どうせ〜してもーに違いない」、「これは〜だ」と独断的な思考、断定的な思考に陥りがちです。
そして、その中で起こってもいない想像の中の不安や恐怖を強化してしまうという事がよくあります。
なので、客観的な意見を知り、多角的に物事を眺め、客観性と思考の柔軟性を身につけると良いです。
意見が聞ける人がいれば、その人からはどの様に見えるか、どう思うか、話してみると良いのですが、意見交換を出来る人がいない場合、多角的に物事を見る訓練として、言葉や思考を変換するという作業をやってみると良いです。
「言い換え変換表」とググると、「声かけ変換表」、「ビジネス変換表」など出てくるので、それを使いながらやってみると良いです。
どうしても上手くいかない時やよく分からない時はメッセージ下さい。一緒にやってみましょう!
⑧ストレスへの対処スキルを調べて試してみる
ストレスの原因となる出来事があったら、その時に出来る最善の対応をするのは大事な事です。
嫌な事を避けてばかりでは、「逃げてばかりで情けない」などと自信を失う一方なので、こんな時はこう対処すると調べて、対処の仕方を予め決めておき、その時が来たら思い切って調べた事を試してみる事も必要です。
一人で難しい時、恐怖が先立つ時はお声かけ下さい。一緒に取り組みましょう。
ただし、どうしようもない時や一人で立ち向かっては心身を害する恐れがある時や危険な時、精神疾患の症状を悪化させると思われる時は、迷わず逃げて下さい。
⑨瞑想
瞑想は、リラックス効果を得てストレスを解消するだけでなく集中力も高めてくれるものです。
また、過去に思考を囚われた時に、今ここに意識を戻し、反芻思考から抜け出す事が出来るようになります。
瞑想のやり方については、沢山動画が出ているので、自分に合ったものを探してみて下さい。
また、坐禅体験を行なっているお寺があるので探してみるのも良いでしょう。
⑩心を労る
「心を労りましょう」という言葉を聞きますが、具体的にどうすれば良いかは十人十色です。
言葉や視線に傷付きやすく敏感ならば、美しく綺麗な物、優しい物、、刺激の少ない物に触れるようにする。
体の調子が良さそうならお風呂に入ってみたり、PC周りを掃除してみたり布団を干してみたりするのも良いです。
腹八分目に(過ぎたるは及ばざるが如し)自分が心地良いと感じる事をやってみましょう。
ここまで読んで下さったあなたは、恐らくとても忍耐力のある方です。
お付き合い下さり有り難うございます。
ここに、色々書きましたが、
何をやれば良いのか?
どれからやれば良いのか?
どれくらいやれば良いのか?
それは、あなたが「丁度良い」、「心地良い」と感じるかどうかで決めて下さい。
無理は続かないし、心身の状況によるところもある。また、かえってストレスになるなら本末転倒なので、やれる事を自分のペースでやることを基準とし、そこを意識して行きましょう。
また、「それが出来ないから難しいんだよ」、「これってどうやれば良いの?」、「おうちやは実際どうだった?」などについては、「お問い合わせ」からメッセージ下さい。コツややり方など知っている事をお伝えします。
一人で難しいなら二人で。一緒にやってみましょう。
それでは!
ここまで読んで下さった方、本当に有り難うございました!